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朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」の感想と考察!【結合双生児】

こんにちは。

あやとです。

サンショウウオの四十九日の感想ってどんな感じ?

サンショウウオの四十九日の考察はある?

今日はこんな方向けに記事を書いています。

僕は芥川賞を読むこと20年!

芥川賞大好き人間です(笑)

そんな僕が「サンショウウオの四十九日」を考察しています。

よろしくお願いします。

あやと
あやと
執筆者・彩人プロフィール
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量は100〜150冊!

サンショウウオの四十九日の考察と解説、感想

「サンショウウオの四十九日」の結合双生児とは(概略)


サンショウウオの四十九日

まず、「サンショウウオの四十九日」の結合双生児とは、こんな状態で生まれました(↓)

  • 脳はそれぞれ持っている
  • 心臓やその他の臓器は共有
  • 半々の顔の真ん中から体の真ん中まで分かれてる

こんな感じで、脳や顔の真ん中は別。

心臓やその他の臓器は、共有。

なので、いわゆる「双子」の結合バージョンですね。

過去には、「ベトちゃん・ドクちゃん」などの例がありました。

それが、

  • 私:瞬(しゅん)
  • わたし:杏(あん)

です。

双子は、

  • 切り離されたくない
  • 切り離したくない

こんな状態です。

では、ここから、何を伝えたかったのでしょうか?

続いて見て行きたいと思います。

「サンショウウオの四十九日」の考察と感想

伝えたかったことは、2つあります。

それが(↓)

  • 意識はどこにあるのか?
  • 一方が死んだら、一方はどうなるのか?

です。

いかがですか?

私たちは、身体は1つですよね。

ところが、どこかに意識はあるわけです。

「脳」なのか?

はたまた別の臓器なのか?

果たしてどこにあるのでしょうか?

ちなみに「私」と「わたし」の父(若彦)も胎内双生児

「私」と「わたし」は結合双生児でした。

伯父(勝彦)も腹の中に父(若彦)がいたんですね。

なので、彼ら、私(わたし)らは、どこから来たんだろう?という話です。

いかがですか?

イメージ湧きますか?

1人の中に2人いるんです。

つまり、父は伯父のお腹の中に。

そして、私とわたしの場合は、1つの身体に2つを持っていました。

こんな状態で、果たして、一方が死ぬとどうなるのか?

ここが最大の読みどころです。

では、果たして、結末はどうだったでしょうか?

こちらも見て行きたいと思います。

「サンショウウオの四十九日」解説と結末(※ネタバレ注意)

ネタバレしています。ご注意ください

言いたかったことは、私たちは、2つから出来ている、です。

例えば、陰陽図。

例えば、結合双生児、胎内双生児。

彼らは、すべて2つのものから出来ていましたよね。

ここがポイントです。

しかし、一方が死ぬとどうなるのか?

例えば、父と伯父、どちらか死んだら?

例えば、瞬と杏、どちらかが死んだら?

2つから成る「私(わたし)」が死んだら、全部、終わる(死ぬ)のでしょうか。

でも、結末は、ぼかしてありました(↓)

獣道を歩んでいる。二つの熱が体内に巡り、私は呆然として歩み自体をその衝動に任せた。

たぎる熱にほだされて何も考えられず、ただ景色を眺める。

自分の体が自分のものでないようだ。

「サンショウウオの四十九日」P132より引用

こんな感じで、一方が「病」に侵されてしまった様子(死)を表現。

そして、目覚めてみると、

瞼が開くとたった今、生まれた心地がする。

陽に転じて、陰に転じて、とうとうぐるりと循環した。

見覚えのない天井を見つめていると、わたしは新たな生を受けて生まれ変わったのだとわかった。

「サンショウウオの四十九日」P137より引用

こんな感じで、「一つの死」を新たな「生まれ変わり」と表現。

陰陽極まったら、新たな「陰陽」の始まりだと表現しました。

このあたりは上手いですよね。

そして極めつけは、

喉の痛みが感じられると、生まれ変わった心地は消えていく。

「サンショウウオの四十九日」P138より引用

こう、新たな生まれ変わりを表現。

結局、一方の「死」が新たな「生」を産むかはぼかされました。

なので「死んだものにしか分からない」と僕は解釈しました。

サンショウウオの四十九日の考察と解説まとめ

いかがでしたか?

今日は「サンショウウオの四十九日」を考察してみました。

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ではまた。

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