こんにちは。
彩人です。
「中村文則さんの『列』について知りたい…!」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
僕は中村文則作品は、ほぼ全冊読破!
そんな僕が「列」の感想などを書いています。
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量は150〜200冊!
中村文則「列」の感想と考察
中村文則「列」の概要
まず中村文則さんの「列」はこんな作品です(↓)
- 講談社刊
- 152ページ
- 1540円(税込)
- 2023年10月発売
こんな感じでして、かなり薄めの中短編集。
濃厚な中編からお探しの方におすすめです。
では本のあらすじなどはどんな感じでしょうか?
こちらも見て行きたいと思います。
中村文則「列」のあらすじ
続いて、作品のあらすじはこんな感じです(↓)
※ネタバレしています。ご注意ください。
<第一部>
先頭も見えなければ、最後尾も見えない。
そんな「列」に並ぶ、登場人物たち。
抜けて、違う列に並ぼうとする者。
荷物を預けて、ちょっと列から外れようとする者。
色んな人たちが並んでいます。
果たして何のために並んでいるのか…?
こんな感じで、冒頭から「列」の描写で始まる本書。
とてもディテール(細部)に凝った描写でしたよね!
続く「第二部」ではこんなことが書かれています(↓)
<第二部>
猿の研究をしている草間と石井。
しかし猿やチンパンジーは人間ととても似ているのです。
例えば、進化の過程。
例えば、遺伝子の距離的情報。
そんなことで、猿やチンパンジーの描写が続きます。
第二部は、猿とチンパンジーの考察。
このあたりから、何となく見えくるものがあります。
例えば、猿やチンパンジーは「列」には並びません。
なので、ここが私たち、人間との違い。
しかし、ここより先は、僕はあまり読み込めず。。
なので、ここからは、僕が感じたことを書きたいと思います🙇♂️
中村文則「列」を読んだ感想
まず「列」で言いたいことは、
- 競い合い
- 比べ合い
です。
なぜなら中村文則さんがインタビューでこう語っているから(↓)
本作で列に並んでいる人たちは、周囲を羨み、争ったりもしますが、これは常に他人の視線や他人との競争にさらされている、今の社会を反映しているんです。
「Yahoo!ニュース」より引用
こんな感じでして、社会の反映なんだとか。
なので言いたいことは「競い合い」「比べ合い」。
確かに社会では、
- 羨み
- 競い
- 比べ合い
していますよね。
なので、これはまるで「列」に並んでいるよう。
これを言いたかったようです。
例えば、僕も「ブロガー」という列に並んでいます。
始めた時は、列の最後尾でしたが、進むにつれ上達。
今では、11万PVにまで成長しました。
ところが列に並ばない動物もいます。
例えば、(↓)
- 猿
- ボノボ
- チンパンジー
こんな動物は、列に並びません。
そして彼らは、好き放題交尾をし、農園から食べ物を盗む。
果たしてどちらが、幸せなのでしょうか?
作者・中村文則さんはこう考察しています(↓)
人間は猿から進化していますので、最新の猿研究を見ることで、人間とは何かが見えてくる。
ニホンザルはボス猿が統率する、序列社会のイメージが強い。でも実は猿がそうなるのは動物園や観察のための餌場がある時だけで、野生での彼らの社会は緩く、ボスも序列も実はないんです。主人公は、人間も実は本当はもっと緩い存在なのに、社会の中の「何か」によって、こんなに苦しくなっているのでは、と思います。それが列を表している。
「Yahoo!ニュース」より引用
こんな感じで、猿は「列」に並んでいなんだとか。
こちらを対比したかったみたいですね。
ちなみに「列」から抜け出すことを推奨もしていません(↓)
「自分は周りを気にしない」と思っている人も、これだけ比較し合う社会で生きていると、無意識には色々なものが入ってきて、気づかぬうちにストレスを感じてしまうこともある。結局人は「列」からは逃れられない。ならその中でどうするのか、を考えるようになりました。
「Yahoo!ニュース」より引用
「列」から逃れられないなら、どうするか?
楽しくあれ、共に生きる、ことかな?と僕は感じました。
ちなみに「列」は中村文則さんの「第3部作品」に当たるそう。
「列」から第3部だとすると、この先も楽しみですね!
中村文則「列」まとめ
いかがでしたか?
今日は中村文則さんの「列」を考察してみました。
ちなみに「今年面白かった小説」はこちらでご紹介しています(↓)
良かったらこちらもよろしくお願いします。
ではまた。