こんにちは。
彩人です。
「芥川賞って、なぜつまらないんだろう?」
「芥川賞って、なぜ難しいのかな?」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
僕は芥川賞を読むこと20年!
難しい芥川賞から読みにくい芥川賞まで読んで来ました。
その結果、言えること。
それは、難しさには、理由がある!ということに。
今日はその理由などを解説しています。
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量は100〜150冊
芥川賞はなぜ難しい?つまらない?読みにくい?【理由3つを解説!】
まず、芥川賞が難しい理由は、
- 芸術だから
- 純文学である
- 選考基準に表現法がある
- 禅や見えない世界の描写だから
こんな感じで、選考基準の問題から。
なので、読みにくいし、難しいというわけです。
例えば、「純文学」の定義って知っていますか?
純文学とは、
通俗文学とか大衆文学と呼ばれているものに対し,純粋な芸術的感動を伝えようとするものをいう。 日本の近代文学独特の用語。 現象的には写実的な自然主義文学の作品によって代表され,作家自身のきびしい人生体験に裏打ちされた私(わたくし)小説,心境小説をさしている場合が多い。
「コトバンク」より引用
こんな感じで、芸術的感動を伝えるのが純文学。
なので、わかりにくいし、つまらないというわけです。
では、それぞれどんな理由でしょうか。
具体的に見て行きたいと思います。
芥川賞が難しい理由①芸術、純文学だから
まず、理由1つ目は「純文学だから」です。
いかがですか?
純文学。
聞いたことはあっても、馴染みのない言葉ですよね。
しかし、純文学とは、
純粋な芸術的感動を伝えようとするもの
芸術的な感動を伝える手段。
なので、難解だし、読みにくいというわけです。
では、芸術とは何でしょうか?
「Art Tank」というサイトによると、
一定の材料・技術・身体などを駆使して、鑑賞的価値を創出する人間の活動およびその所産。
とあります。
つまり、鑑賞に値するものを作る活動みたいですね。
なので、
- 新しい表現
- 見たことない表現
だったりするわけです。
例えば、平野啓一郎さんの「日蝕」。
こちらは全文、旧字体で書かれるという表現でした(↓)
これより私は、或る個人的な回想を録そうと思っている。これは或いは告白と云っても好い。告白であるが上は、私は基督者として断じて偽らず、唯真実のみを語ると云うことを始めに神の御名に於いて誓って置きたい。
平野啓一郎「日蝕」の冒頭より引用
こんな感じで、見たことない表現で書かれるのが「純文学」。
なので難しいというわけです。
芥川賞が難しい理由②芥川賞の選考基準が厳しい
続いての難しい理由は「選考基準」から、です。
芥川賞の選考基準とは、
(1)純文学作品である
芥川賞は純文学作品に贈られる賞なので、純文学の定義に基づいた「文章の美しさや表現方法の多彩さ(芸術性)に重きをおいた小説」であるかどうかがポイントです。
(2)新人作家が書いた作品である
新人作家という基準はあいまいなのですが、過去の受賞者はデビューして10年以内の作家が多いです。
(3)過去半年以内に雑誌で発表された作品である
(4)短編~中編の作品である
こんな感じで、文章の美しさや表現法に重きを置いた小説。
なので、難しい、というわけです。
加えて、「新人作家が書いた」という基準もあります。
これは、サッカーで言えば、新人選手がプレーするようなもの。
そのため、素人の読みづらい文章というわけです。
芥川賞が難しい理由③禅や見えない世界の描写だから
最後の理由は「禅や目に見えない世界の描写」だから。
例えば、
- 瞑想
- 無我
- 無の世界
- 心の描写
こんな「目に見えない世界」。
なので、わかりづらいし、難しいというわけです。
皆さまな芥川賞作品に、頻繁に、
- 神
- 仏
- 禅
- マンダラ
などの言葉が登場することをご存知でしょうか?
例えば、平野啓一郎の「日蝕」。
例えば、直近の「ハンチバック」(市川沙央)。
半分くらいの作品に「神」や「無」、「仏」などの言葉が出て来ます。
なので、読みにくいし、理解しづらいというわけです。
読みやすい芥川賞4選!【初心者はこれを読め!】
では、読みやすい芥川賞ってあるのでしょうか?
20年来、ほぼすべての芥川賞を読んでいる僕がまとめました(↓)
- 又吉直樹「火花」
- 宇佐見りん「推し、燃ゆ」
- 村田沙耶香「コンビニ人間」
- 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」
こんな感じで、読みやすい芥川賞は4作!
なので、読書初心者の方におすすめです。
では、それぞれどんな作品でしょうか?
簡単に見て行きたいと思います。
読みやすい芥川賞①火花(又吉直樹)
1冊目の読みやすい芥川賞は又吉直樹さんの「火花」。
理由としてはこんなことが挙げられます(↓)
- 第153回芥川賞受賞
- 第28回三島由紀夫賞候補
- 2016年、ドラマ化
- 2017年、映画化
- 2018年、舞台化
- 売り上げ327万部突破
- 海外5カ国語に翻訳
こんな感じで映像化から舞台化までされた作品。
又吉さんのデビュー作としても話題となりました。
売り上げは327万部。
世界5ヶ国語にも翻訳されました。
有名な芥川作品からお探しの方におすすめです。
読みやすい芥川賞②推し、燃ゆ(宇佐見りん)
2番目の読みやすい芥川賞は「推し、燃ゆ」。
こちらはこんな作品となっています(↓)
- 2020年9月刊
- 河出書房新社出版
- 第164回芥川賞受賞
- 2021年本屋大賞9位
- 全世界で売上げ80万部突破!
こんな感じの第164回芥川賞受賞作。
世界15ヵ国で翻訳され、話題となりました。
ただ、作品としては、とても読みやすめ。
中高生、初心者にもやさしい内容となっています。
読みやすい作品からお探しの方におすすめです。
-
宇佐見りん「推し、燃ゆ」のあらすじ&感想・考察!【つまらない?】
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読みやすい芥川賞③コンビニ人間(村田沙耶香)
3番目の作品は「コンビニ人間」。
理由としてはこんなことが挙げられます(↓)
- 第155回芥川賞受賞
- 海外30ヵ国語に翻訳
- 全世界累計100万部突破
- 2019年、ラジオドラマ化
- 米国ニューヨーカー誌のベストブックス2018の1冊に選出
「コンビニ人間」は世界30カ国語に翻訳!
ミリオンセラーを達成し、ラジオドラマ化までされました。
そして、内容もめっちゃ面白い!(↓)
コンビニで働く様の描写が妙にリアル、作者が実際に働いてると聞いて納得。
観点が面白い、色々と考えさせられる1冊でした。
Amazon.co.jpより引用
こんな感じで、リアルな描写がポイント!
一番の傑作からお探しの方におすすめです。
読みやすい芥川賞④スクラップ・アンド・ビルド(羽田圭介)
最後の読みやすい作品は「スクラップ・アンド・ビルド」。
こちらはこんな作品となっています(↓)
- 第153回芥川賞受賞
- 売り上げ21万部突破
- 2016年NHKにてドラマ化
- 又吉直樹「火花」と同時受賞
「スクラップ・アンド・ビルド」は又吉さんと同時受賞した作品。
介護をテーマとし、話題となりました。
そしてこちらも、
- ドラマ化
- 売り上げ21万部
と読ませる読ませる!
個人的に、イチオシの芥川賞となっています。
読みやすい作品からお探しの方におすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
今日は芥川賞が難しい理由やつまらない理由を解説してみました。
ちなみに「さらに読みやすい芥川賞」はこちら(↓)
-
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