こんにちは。
彩人です。
「宇佐見りんさんの『推し燃ゆ』を詳しく知りたい!」
今日は、こんな方向けに記事を書いています。
僕は芥川賞を読むこと20年!
そんな僕が考察&解説しています。
よろしくお願いします。

・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量の1/3が村上春樹
Contents-目次-
宇佐見りん「推し燃ゆ」の基本情報〜文庫化はもう少し?〜
まず宇佐見りんさんの「推し燃ゆ」とは、こんな作品です(↓)
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- 2020年9月刊
- 河出書房新社出版
- 第164回芥川賞受賞
- 2021年本屋大賞9位
- 2021年9月時点で累計50万部突破
こんな作品でした。
ではこちらの文庫本化はされているのでしょうか?
答えは「No」。
通常、2〜3年で文庫化されるため、少し早いようです。
文庫本でも早く読みたいですよね!
宇佐見りん「推し燃ゆ」のあらすじは?簡単に解説!
続いて「推し燃ゆ」の簡単なあらすじはこんな感じです(↓)
「推しが燃えた」という文言から始まる冒頭。
主人公あかりは、アイドル「上野真幸」のファンでした。
その「推し」がファンを殴ったと言います。
「推し」を中心に生活していたあかり。
SNSやブログに自分の居場所を見出していました。
でもどんなことがあっても「推しを推す」決意は変わりません。
そしてラストでは「推しグループ」の解散。
それを持って「推し活動」は終了しました。
こんな感じのあらすじ。
では、本書の読みどころはどのあたりなのでしょうか?
以下、具体的に見て行きたいと思います。
宇佐見りん「推し燃ゆ」の徹底考察&解説!〜主題はズバリこれだ!〜
まず「推し燃ゆ」の主題は『崩壊と再生』だと思います。
例えば主人公が推す「上野真幸」。
彼は二度、あかりの人生を壊そうとしました。
- ファンを殴る
- グループの解散
それでもあかりはなんとか立ちあがろうとします。
例えば、SNSでの発信。
例えばブログ。
どんなことがあっても「推しを推す」姿勢は変わりませんでした。
実際、色んな困難から立ち上がる主人公は、見事でしたよね!(↓)
這いつくばりながら、これがあたしの生きる姿勢だと思う。
二足歩行には向いていないみたいだし、当分はこれで生きようと思った。体は重かった。綿棒をひろった。
宇佐見りん「推し燃ゆ」P125より引用
散乱した部屋をなんとか掃除しようとする姿勢。
「推しが崩壊」しても「再生」する姿は見事でした。
この「どんな困難からでも再生する姿」が本書の読みどころだと思います。
宇佐見りん「推し燃ゆ」の識者の考察&解説
では他の識者はどう読んだのでしょうか?
こちらも見て行きたいと思います。
まず作家の島本理央さんの書評(↓)
うわべでも理屈でもない命のようなものが、言葉として表現されている力量に圧倒された。
河出書房新社のHPより引用
やはり作家の島本さんも圧倒されたようです。
続いてロシア文学者の亀山郁夫さんはこう評しています(↓)
ドストエフスキーが20代半ばで書いた
初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。河出書房新社のHPより引用
亀山さんもロシア文学と重ねて高評価。
「ハチャメチャさ」と評しました。
続いて作家の町田康さんはの評はこんな感じ(↓)
今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語
河出書房新社のHPより引用
こんな感じでかなり高評価な印象。
若干21歳で芥川賞を受賞したことにもうなづけますよね。
宇佐見りん「推し燃ゆ」はつまらない?読者評価の考察
では最後に読者はどうに読んだのでしょうか?
こちらはネットの感想から見ていきたいと思います(↓)
とても感覚的な文章。匂いや色や動きや音、温度、色、色、色…語順も独特。はじめは戸惑ったため、表面的にしか読めてないな…と思う。でもだんだん慣れてくると表現を楽しめるようになった。
読書メーターの感想より
どちらかと言えば「語彙力」「文章力」を称える声が多い印象。
作家の島本理央さんもそうでした。
色んな観点から見ても「傑作」と言えそうです。
つまらないいつもの芥川賞とは、違う印象ですよね。
まとめ
いかがでしたか?
今日は宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」について考察してみました。
僕は他にも書評や解説をしています(↓)
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