こんにちは。
彩人です。
「辻村深月さんの嘘つきジェンガのあらすじが知りたい!」
「嘘つきジェンガをネタバレありで考察しているサイトってあるかな?」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
僕は年間読書量の9割が小説!
そんな僕が辻村さんの「嘘つきジェンガ」の考察をしています。
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量の9割が小説
辻村深月「嘘つきジェンガ」のネタバレありのあらすじと感想・考察
辻村深月「嘘つきジェンガ」の概要と簡単なあらすじ
まず辻村深月さんの「嘘つきジェンガ」とはこんな作品です(↓)
- 文藝春秋刊
- 全288ページ
- 2022年8月発売
- 3つの短編から成る小説
- 1話目「2020年のロマンス詐欺」は「神様の罠」にも収録
こんな感じの話題作!
全編「詐欺」をテーマとし、今けっこう売れています。
そして大まかなあらすじだとこんな感じです(ネタバレなし)(↓)
詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
→→大学進学のため山形から上京した「加賀耀太」。ところがコロナ禍でアルバイト先がなかなか決まりません。そこで地元の友人「甲斐斗」からメールでできるバイトを紹介してもらいました。ところがそれは、なんとも怪しい仕事で…。『五年目の受験詐欺』
→→主人公・風間多佳子は5年前、息子を合格させてあげるから、とお金を支払います。その額なんと100万円。しかし5年後になって「紹介は、詐欺だったんです、私たち、騙されていたんですよ」と電話で告げられます。夫にも息子にも内緒でお金を支払ってしまったが…。『あの人のサロン詐欺』
→→主人公「紡」はオンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロン オフ会」を主宰しています。ところが谷嵜レオ本人と集まってくれるファンには内緒。しかし月額1000円もの会費を支払ってもらっていたのでした。ところがある日、ひょんなことから谷嵜が逮捕されて、詐欺が発覚してしまい…。
こんな感じの詐欺をテーマにした3編。
このあらすじだけ読むと、
- 怖そう
- 固そう
- 難しそう
こんな感想を持ってしまいそうですよね。
でも実はそんなことありません!
なぜならどれも、ハッピーエンドで終わるから。
なので「黒辻村」好きにも「白辻村」好きにもたまらない作品となっています。
では詳しくはどんな内容なのでしょうか?
続いて見て行きたいと思います。
辻村深月「嘘つきジェンガ」①2020年のロマンス詐欺(ネタバレあらすじと感想)
(※この先ネタバレします。未読の方はご注意ください)
まず1話目「2020年のロマンス詐欺」はコロナ禍が舞台でしたよね。
この作品の中で唯一、コロナ禍が舞台。
なので身近な問題に感じた方も多かったのではないでしょうか?
主人公・耀太は親の助けになろうとバイトを探します。
ところが、コロナ禍でなかなかそれも決まらず。
そこでたまらず「メールで出来る簡単な仕事」に応募してしまったのです。
でもゆくゆくそれは「詐欺」だと気づきました。
なぜなら次々と高額な商品を買わせないといけないため。
仲良くなった「未希子」にも詐欺を働かせようとします。
しかし未希子からある日、「助けて、私、殺される」というメッセージが届きます。
そこで実際、助けに行ったところをご用(逮捕)。
留置場へ入れられてしまったのでした。
でも結果的には、全てハッピーエンド。
なぜなら「未希子」の娘から事情も知れ、両親ともうまく行ったから。
僕は、ハラハラしましたが、ラストで安堵しました(笑)
ちなみにこちらは「神様の罠」(2021年、文春文庫)にも収録されています。
辻村深月「嘘つきジェンガ」②5年後の受験詐欺(ネタバレあらすじと感想)
2話目「5年後の受験詐欺」は息子の中学受験がテーマ。
なんと息子が中学に合格するためにお金を支払ってしまったのです。
しかし息子は勉強もできないし、器量も悪い。
そこで助けるつもりで100万円を受験コンサルタントに支払ったのです。
ところがその5年後。
「紹介は、詐欺だったんです、私たち、騙されていたんですよ」との電話が。
本当にあれは詐欺でした。
実は息子は、自分の力だけで合格していたのです。
でもこちらもハッピーエンドで良かったです。
なぜなら息子から「お母さんにそこまで思われていて、良かった」と言われたから。
そしてお金も全額自分の貯金から出していたのでした。
ただ僕は、こんなこと、あるのかな〜と思ったのも事実。
なぜなら、騙されてしまう方も、悪い感じたから。
なのでこのお話だけは、自業自得に感じました。
ちなみにこちらは「オール讀物2022年6月号」でも読むことができます(↓)。
辻村深月「嘘つきジェンガ」③あの人のサロン詐欺(ネタバレあらすじと感想)
最後の「あの人のサロン詐欺」はこの中で最も読み応えのある短編!
僕の中では一番面白かったです。
主人公・紡は「谷嵜レオ・オンラインサロン」を開設します。
月額1000円。
「谷嵜レオ」とは、顔出し・メディア露出していない漫画の原作者でした。
そのためこちらは、出版社にも作者本人にもファンにも内緒の企画。
こっそり自分が作者「谷嵜レオ」になりきったのでした。
ところがある日、作者・谷嵜レオが下着泥棒で逮捕されてしまいます。
そこで主人公=谷嵜レオではなかったことが判明。
オンラインサロンが荒れたのでした。
作者・谷嵜レオが釈放されてしばらくしてからのことです。
主人公は、谷嵜レオに会いに行きました。
でも谷嵜は自分のせいで紡に迷惑をかけてしまったと後悔。
自殺未遂を決行したのでした。
僕は、このあたりから、この話、すごい!!!と感銘。
なぜならここまでの展開は読めなかったからです。
そしてラストは圧巻!!
なぜなら主人公・紡が谷嵜を救うヒーローになったから。
なのでこちらもハッピーエンドでした。
ここまで読ませる辻村さんって、やっぱりすごいですよね!
ちなみに作中に出てくる「チヨダ・コーキ」は別作品にも出てきます(↓)。
この作品で連動されていたのは、少し意外でした(笑)
まとめ
いかがでしたか?
今日は辻村深月さんの「嘘つきジェンガ」について考察してみました。
僕は他にもいろんな作品を考察しています(↓)
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