村上春樹

村上春樹「猫を棄てる」の書評とあらすじ、感想【文庫本も発売中!】

こんにちは。

彩人です。

村上春樹の『猫を棄てる』のあらすじや感想が知りたい…!

今日はこんな方向けに記事を書いています。

僕は年間読書量の1/3が村上春樹!

そんな僕が「猫を棄てる」の、

・あらすじ

・全体的な感想と書評

を書いています。

よろしくお願いします。

あやと
あやと
著者・彩人プロフィール
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量の1/3が村上春樹

ネタバレ注意!村上春樹「猫を棄てる」概要と内容


猫を棄てる 父親について語るとき (文春e-book)

まず「猫を棄てる」とは、こんな作品です(↓)

  • 63ページ
  • 文春文庫刊
  • 2023年6月にAudible化
  • 父親や母親を回想する作品

こんな感じで、両親のことを綴った本書。

例えば、目次で言うとこんな感じです(↓)

  • 父親とのエピソード
  • 父親の出自(お寺に生まれたこと)
  • 父親の趣味・短歌
  • 父親と戦争
  •  村上春樹の幼少期・母親のこと
  • まとめ(あとがき)

こんな感じの6構成。

なので、村上春樹の両親について知りたい!という方におすすめです。

ではどんな内容なのでしょうか?

詳しく見ていきたいと思います。

ネタバレ注意!村上春樹「猫を棄てる」詳しいあらすじ・書評

父親との間で一番思い出に残っているエピソード

まず父親との間で一番思い出に残っているエピソードは「猫を棄てる」思い出だそう。

こちらが淡々と綴られています。

当時、何らかの事情で飼いきれなくなった猫。

そんな猫を棄てるというエピソードでした。

少し、意外な思い出ですよね。

父親の出自のこと

また村上春樹の家柄は平凡だったそう。

例えば、お父様の実家はお寺。

それも有名なお寺ではなく、一般的なお寺だったそうです。

なので大業な家柄ではなかった、と綴られていました。

父親の趣味・俳句について

またお父様の趣味は俳句

俳句雑誌にも掲載される腕前だったそうです(↓)。

『鳥渡るあああの先に故郷がある』

『兵にして僧なり月に合掌す』

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P44より引用)

こんな感じで俳句雑誌に掲載!

結構すごい腕前ですよね。

なのでか、村上春樹も作中で短歌を詠んでいます(↓)。

午後をとおし / この振りしきる / 雨にまぎれ

名もなき斧が / たそがれを斬首

村上春樹「一人称単数」より引用

こちらは「一人称単数」という本に掲載(↓)


一人称単数 (文春e-book)

こちらもさすが!といった感じですよね!

父親と戦争について

父親の戦争についての記載もあります。

例えば、お父様は、中国へ派兵。

戦争には何度か招集されたと綴られています。

ただ南京攻略には関わっていなかったそう。

こちらは良かったですよね。

村上春樹の幼少期のこと

最後の方ではお母様のことも綴られています。

お母様はそこそこの人気教師。

引退後も教え子が遊びに来たんだとか。

また知り合いには、田辺聖子さんがいたそうです(↓)。

1964年に田辺聖子さんが芥川賞をとられたときに、新聞を見て、「ああ、この子よう知ってるわ」と母が言っていたことを覚えている。田辺さんも樟蔭女子専門学校の出身なので、あるいはどこかで、縁があったのかもしれない。

村上春樹「猫を棄てる」P 78より引用

こんな感じで、ちょっとした知り合いだったそう。

少し意外な結びつきですよね!

全体的なまとめとして

この作品で村上春樹が言いたかったことは一つだとされます。

それは、(↓)

いずれにせよ、僕がこの個人的な文章において一番語りたかったのは、ただひとつのことでしかない。ただひとつの当たり前の事実だ。それは、この僕はひとりの平凡な人間の、ひとりの平凡な息子にすぎないという事実だ。

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P94より引用)

こんな感じで「平凡な家庭で育った」という旨。

なのでこちらを強調されたかったのではないでしょうか。

僕はひとりの平凡な人間の、ひとりの平凡な息子にすぎない

こんなメッセージだと感じました。

村上春樹は「職業としての小説家」でもこちらを強調されいます(↓)。


職業としての小説家 (新潮文庫)

平凡な家庭出身だよ、と伝えたかったのかも知れませんね。

村上春樹「猫を棄てる」の考察とまとめ

最後にあとがきでは、こう綴られています(↓)。

僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神をどれほど深く変えてしまえるかということだ。

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P 99より引用)

こんな感じで戦争の悲惨さを強調。

なので「反戦」も一つのメッセージだったのかも知れません。

まとめ

いかがでしたか?

今日は村上春樹さんの「猫を棄てる」をまとめてみました。

ちなみにこちらは、去年、文庫本が発売されました(↓)。

  • 文春文庫
  • 128ページ
  • イラストは台湾出身の高妍(ガオ イェン)さん

こんな感じでようやく文庫化!

なので手軽に持ち運びたい!という方におすすめです。

また、>>Amazon Audible でも楽しむことが出来るようになりました。

こちらも楽しみが一つ増えましたよね。

ちなみに僕は「村上春樹の新刊」という記事も書いています(↓)。

【2024年最新】村上春樹の新作は2月22日発売!【次の新刊はいつ?】

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良かったらこちらもよろしくお願いします。

ではまた。

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