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村上春樹「猫を棄てる」の書評とあらすじ、感想【文庫本情報あり!】

こんにちは。

彩人です。

村上春樹の『猫を棄てる』のあらすじや感想が知りたい…!

今日はこんな方向けに記事を書いています。

僕は年間読書量の1/3が村上春樹。

そんな僕が「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」の、

・あらすじ

・全体的な感想と書評

について書いています。

よろしくお願いします。

あやと
著者・あやとプロフィール
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量の1/3が村上春樹

ネタバレ注意!村上春樹「猫を棄てる」大まかなあらすじ・書評


猫を棄てる 父親について語るとき (文春e-book)

まず「猫を棄てる」の構成は、こんな感じです(↓)。

  • 父親とのエピソード
  • 父親の出自(お寺に生まれたこと)
  • 父親の趣味・短歌
  • 父親と戦争
  •  村上春樹の幼少期・母親のこと
  • まとめ(あとがき)

こんな感じの6構成。

主に自分の育った家庭などが書かれています。

以下、ネタバレしつつ内容を見ていきたいと思います。

よろしくお願いします。

ネタバレ注意!村上春樹「猫を棄てる」詳しいあらすじ・書評

父親との間で一番思い出に残っているエピソード

まず父親との間で一番思い出に残っているエピソードは「猫を棄てる」思い出でした。

当時、何らかの事情で飼いきれなくなった猫。

その猫を棄てるというエピソードでした。

ちょっと変わった思い出ですよね。

父親の出自のこと

また村上春樹の家柄は平凡だった旨がかれています。

お父様のご実家は京都のお寺。

それも有名なお寺ではなく、一般的なお寺だったそうです。

なので大業な家柄ではなかった、という旨が綴られていました。

ちなみにお父様はお寺は継がず、教師として生活。

両親とも教師だったそうです。

父親の趣味・俳句について

またお父様の趣味は俳句

俳句雑誌にも掲載される腕前だったそうです(↓)。

『鳥渡るあああの先に故郷がある』

『兵にして僧なり月に合掌す』

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P44より引用)

俳句雑誌に掲載されるのは、すごいですよね。

ちなみに村上春樹も作中で短歌を詠んでいます(↓)。

午後をとおし / この振りしきる / 雨にまぎれ

名もなき斧が / たそがれを斬首

村上春樹「一人称単数」より引用

こちらは「一人称単数」という単行本にに収録(↓)


一人称単数 (文春e-book)

ご興味がおありの方は、ぜひお手に取ってみてください。

父親と戦争について

父親の戦争についての記載もありました。

お父様は、中国方面へ派兵。

戦争には何度か招集された胸が綴られています。

ただ心配されていた南京攻略には関わっていなかった模様。

余談ですが反戦メッセージが少し入っているように感じました。

村上春樹の幼少期のこと

最後の方でお母様のことも綴られています。

お母様はそこそこの人気教師。

引退後も教え子が遊びに来た旨が綴られています。

また知り合いには、田辺聖子さんがいたそう。

けっこう、社交的なお母様だったようですよね。

全体的なまとめとして

ちなみに村上春樹が言いたかったことは一つだとされます。

そちらを抜粋すると…(↓)

いずれにせよ、僕がこの個人的な文章において一番語りたかったのは、ただひとつのことでしかない。ただひとつの当たり前の事実だ。それは、この僕はひとりの平凡な人間の、ひとりの平凡な息子にすぎないという事実だ。

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P94より引用)

こんな感じで「平凡な家庭で育った」旨を書きたかったのかもしれません。

僕はひとりの平凡な人間の、ひとりの平凡な息子にすぎない

こちらを伝えたかったのではないでしょうか。

ちなみに村上春樹は「職業としての小説家」でもこちらを強調しています(↓)。


職業としての小説家 (新潮文庫)

  • ノーベル賞候補
  • 数々の文学賞受賞

とすごいイメージですが、全然、そんなことないんだよ、と伝えたかったように感じました。

村上春樹「猫を棄てる」の考察とまとめ

またあとがきでは、こんなことが書いています(↓)。

僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神をどれほど深く変えてしまえるかということだ。

(「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」P 99より引用)

こんな感じで戦争の悲惨さを強調。

「反戦」も一つのメッセージだったように感じます。

なので作品全体としては、

・平凡な家庭に育ったこと
・軽い反戦的なメッセージ

こんなことを伝えたかったのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

今日は村上春樹さんの「猫を棄てる〜父親について語るとき〜」について書いてみました。

ちなみにこちらは、今年(2022年)11月、文庫本が発売されました(↓)。

  • 文春文庫
  • 128ページ
  • イラストは台湾出身の高妍(ガオ イェン)さん

こんな内容だそうです。

まだ読んだことのない方は、ぜひお手に取ってみてください!

また僕は前述『村上春樹「一人称単数」の考察」』の記事もあります(↓)。

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良かったらこちらもよろしくお願いします。

ではまた。

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