こんにちは。
彩人です。
今日は奥田英朗さんの「コロナと潜水服」について書いています。
僕は奥田英朗は全作品、読破。
奥田英朗さんが大好きです。
そんな奥田作品の中でも3本の指に入るくらいの良さだった「コロナと潜水服」。
今日はそのレビューを書いています。
よろしくお願いします。
Contents-目次-
奥田英朗「コロナと潜水服」全般的な感想とレビュー
「コロナと潜水服」は全5編からなる短編集。
奥田英朗と言えば「我が家シリーズ」や「伊良部シリーズ」が有名です。
ただ、今回の作品はそれらの短編を上回ると感じました。
作品全般のテーマは「見えないもの」「怪しいもの」。
幽霊や超常現象などがテーマです。
どの話も展開が読めず、面白かったです。
時に笑い、時にツッコミ、時にホロリ。
そんな短編集でした。
奥田英朗「コロナと潜水服」感想とレビュー①海の家
「海の家」:あらすじ
主人公・村上浩二は49歳の作家。奥さんの浮気が原因で神奈川県葉山町にある家を借ります。ところが引っ越した先で、誰もいるはずのないのに話し声や物音が聞こえる。そして一方、奥さんからの連絡は一切こず。そんな中、主人公はあるトラブルに巻き込まれるのだが…。
「海の家」:感想&レビュー
僕は1作品目だけは、「平凡かな」という感想を持ちました。
この短編は奥田英朗らしい、山あり谷ありのほのぼのドラマ。
もちろん、奥田作品なのでそれなりのクオリティなのですが、他の作品と比べると埋もれてしまいます。
僕はそんな感想持ちました。
でもここで離脱するにはまだ早い!
この先、どんどん面白くなっていきます。
奥田英朗「コロナと潜水服」感想とレビュー②ファイトクラブ
「ファイトクラブ」:あらすじ
46歳・会社員・三宅邦彦は家電メーカー社員。早期退職へ追いやるための「危機管理部」に異動させられる。ただ危機管理部とは名ばかりで実際のところは「警備員」だった。同僚何人かで交代で警備をやる傍ら、暇だったので事務所でボクシングを習うことになる。ただ意外なことにそのボクシングは楽しいものであった…。
「ファイトクラブ」:感想&レビュー
この作品からレベルが上がってきます。
ボクシング小説は他にもありますがこの展開は奥田さんらしい。
そしてなんと言ってもボクシングに興味を持ってしまうというところが意外。
それだけでも意外なのに、結末は超予想外なものでした。
コロナ禍で早期退職も増える中、身につまされる人も多いのではないでしょうか?
また奥田さんが野球以外のスポーツ小説を描くのも新鮮でした。
奥田英朗「コロナと潜水服」感想とレビュー③占い師
「占い師」:あらすじ
主人公・浅野麻衣子の彼氏は本物のプロ野球選手。契約金は1億円であり、将来を嘱望される選手。初めはその彼もほとんど活躍しなかったのですが、入団3年目で頭角をあらわし四番バッターに。ところが同時に彼とはなかなか会えなくなる…。そこで頼ったのは怪しい「占い師」であった。
「占い師」:感想&レビュー
この短編は完全に「アタリ!!」
僕の好きな展開です。
奥田さんも野球が好きだからか筆が乗ってます(笑)
主人公が一人で野球観戦する場面は、奥田さんにしか書けません!
また話の展開も意外すぎるのでオススメ!
この作品だけでも読む価値ありです。
結局、主人公と彼はどうなったのでしょうね?
なんとなくうやむやにしているラストも良かったです。
奥田英朗「コロナと潜水服」感想とレビュー④表題作(「コロナと潜水服」)
「コロナと潜水服」:あらすじ
35歳・会社員の渡辺康彦が主人公。主人公は在宅勤務中、5歳息子に特別な能力があることに気づく。なんと息子は「コロナ感染者」のことを透視できるらしい。実家の母親が通う先のクラスターを予想し、見事的中。そして次にコロナにかかってしまったのは、意外な人物だった…。
「コロナと潜水服」感想&レビュー
この作品、楽しみにしてました。
「コロナ」を取り上げた小説ってまだそんなにないですからね。
最初は、5歳の息子に特殊能力って、ありきたりかなとも思ったのですがとんでもない!
めっちゃ面白いです。
コロナを防ぐために潜水服って、なかなかない発想です。
何度も吹き出しながら読みました。
展開もあまりありえないけど、面白い!
奥田マジック炸裂のストーリーでした。
奥田英朗「コロナと潜水服」感想とレビュー⑤パンダに乗って
「パンダに乗って」:あらすじ
55歳になった小林は頑張った自分へのご褒美に車を買うことにした。その車は初代フィアット・パンダ。かなり珍しい車だったため、新潟の中古自動車販売店でようやく発見。東京から車を取りに行った帰りの車中、どうもナビの様子がおかしいことに気づく。指示していないところに勝手に案内されるのだ…。ところが、順番にたどって行くとある真実が分かってくる。その真実とは…!
「パンダに乗って」感想&レビュー
最後にガツンと締めたなぁ、という感じ。
この短編集の中で最高作品になってます。
僕はこの短編読んで涙が出てしまうほど。
奥田作品で涙を流すなんて珍しいですよね。
他の作品にあったでしょうか?
ネタバレすると楽しめないので、未読の方のためにこの辺で!
奥田さん、「噂の女」で「中古車販売の女」なんて作品もありましたが、車好きなのかな?
僕もコロナが明けたら思いっきりドライブしたいと思いました。
まとめ
ここまでお読みくださりありがとうございました。
未読の方のためにネタバレ少なめでブログを書いてみました。
この作品は、話の展開が面白かったので、それを明かしたくないと考えたからです。
では今日はこの辺で!