こんにちは。
彩人です。
「人はなぜ小説を読むんだろう?」
「人はなぜ小説を面白いと感じるんだろう?」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
僕は小説を読むこと、35年!
そんな僕が小説を読む理由について考察しています。
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・小説を読み続けて35年!
人はなぜ小説を読む?小説はなぜ面白い?人が物語を読む理由を徹底考察!
人が小説を読む理由①「世の中合理的ではないから」
人が小説を読む理由は、次の3つです(↓)
- 世の中不条理なことで溢れている
- その不条理さに共感を求めるため
- 人は暗くて悲惨な物語を求めている
こんな感じではないかと、僕は推察しています。
理由の1つ目「世の中不条理なことで溢れている」から見ていきます。
例えば世の中、
- 地震
- 津波
- 戦争
- コロナ
- 愛する人との死別
こんなことで溢れ返っていますよね。
もっと具体的に言うなら、
- コロナ
- 東日本大地震
- ウクライナ戦争
こんなことで世界は、溢れかえっています。
でもそんな悲惨なことを予め体験できるのが小説!
なぜなら小説は「あり得ないこと」で溢れかえっているからです。
例えば、
- 殺人
- 戦争
- 愛する人との死別
こんなこと、実際に起こったら嫌ですよね。
でもこんな小説は、結構、多いです。
例えば、殺人だと…(↓)
また恋愛だとこんな小説があります(↓)
上の「白鳥とコウモリ」では冤罪や殺人事件を取り扱い。
また「ノルウェイの森」では、愛する彼女の自殺のお話でした。
(※実際に内容に触れてみたい方はリンクから読んでみてください(↓))
-
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でもこんなこと、実際にあっては困りますよね。
なぜなら、
- 自分が冤罪で逮捕
- 自分の恋人が自殺
こんなことが起こったら、誰も耐えられないと思うからです。
でもそれを「擬似体験」できるのが小説!
あらかじめ起こったこととして、自分も擬似体験できる仕組みとなっています(↓)
・小説の中で愛する人が死んでしまった…
→なら自分は愛する人を今より大切にしよう
・小説で冤罪になった人は大変そうだな…
→今のなんでもない日常に感謝しよう
こんなことを感じられるのではないでしょうか。
なので悲惨なことを小説の中で擬似体験するために読むという説です。
人が小説を読む理由②共感を求めるため
実際、世の中は悲惨なことが溢れかえっています(↓)
- 戦争
- 疫病
- 地震
- 殺人
- 異常気象
世の中ではこんなことばかり起こりますよね。
でも仮に自分が当事者となってしまった場合、どうすれば良いでしょうか?
例えば、
- 戦争で愛する人を失った
- 土砂災害で愛する人を失った
- 津波で自分の家が流されてしまった
こんな時、救ってくれるのは何でしょうか?
「専門書」でしょうか?
「実用書」でしょうか?
僕は違うと思います。
なぜなら、専門書や実用書は、
- 土砂災害で亡くなった人
- 戦争で愛する人を失った
こんな人たちの「救い方」までは解説してくれないから。
でもそれに唯一、寄り添ってくれるのが小説だと思います。
なぜなら小説では次々と悲惨なことが起こるから。
同じような境遇の人が必ずいます。
そこで主人公と共感できることも良さだと思います。
人が小説を読む理由③人は退屈に耐えられない&どこか悲惨なことを待っている
また、人は悲惨なことを待っているとする説もあります。
例えば「ポジティブニュース」というサイトをご存じでしょうか?
こちらではポジティブなニュースしか扱っていません(↓)
・荒波に飲まれて…海で溺れたカンガルーを新人ライフガードが救出
・視力を失った夫のため…花嫁が選んだ、特別なウェディングドレス
こんな感じで扱っているのは、ポジティブなニュースのみ。
でもいかがですか?
「毎日、チェックしよう!!」
とはあまり思わないですよね。
これは「脳がネガティブなニュースを求めている」からとされます。
それを解説しているのが、こちらのサイト(↓)
「>>なぜ暗いニュースばかりなのか│つい見てしまう脳とメディアの関係」
不器用な扁桃体を安心させてあげないと、私たちは大して危険じゃないものに対しても恐怖や怒りを感じてしまい、必要以上に他者を攻撃してしまったり、元気を奪われてしまうことがあるのです。
こんな感じで暗いニュース(物語)を求めているという説もあります。
だから私たちは、小説を読むのではないでしょうか?
小説の中で、
- 悲惨なこと
- あり得ないこと
を体験し、脳を安定させる。
こんな役割もありそうです。
実際、悲惨なことが起きた時に、小説は読まれる
村上春樹の小説も悲惨なことが起きた後に読まれることが多いと言います。
それを解説しているのがこちらの本(↓)
歴史年表とつきあわせて振り返ると、その国の社会の基盤に何かしら大きな動揺(あるいは変容)があったあとに、そこで広く僕の本が読まれる傾向が世界的に見られたという気がします。
村上春樹「職業としての小説家」P314より引用
こんな感じで村上春樹の小説も悲惨なことが起きた後に読まれるそう。
なので「悲惨な境遇への共感」として読まれるという説はありそうです。
小説がなぜ面白いのかは、説明困難?!
最後に「小説はなぜ面白いのか?」は少々、説明困難です。
なぜなら、そこに理由はあまりないから。
例えば、
- 蝶々が好きな人
- ウルトラマンが好きな人
- 髪をカットするのが好きな人
こんな人たちに「なぜ好きなの?」と聞いてもまともな答えは返ってこないですよね。
例えば、
- 蝶々の柄が好き
- ウルトラマンがかっこいい
- 人の髪に触れていると安心する
こんな答えが予想されますが、納得はできないのではないでしょうか。
なぜなら、
・「柄の良さがわからない」
・「カッコいいとは思わない」
こんな人もいるため。
でも小説の面白さについても同じではないでしょうか?
例えば僕は、村上春樹が好き。
でも、必ず「村上春樹の良さを教えて!」という人が現れます。
そこでこんなブログを書くわけですが…(↓)
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あまり納得はしてもらえていないみたいです。
なぜならそれでも良くわからない、と言われてしまうから。
なのでこればかりは「説明困難」(笑)
好きだから好き、面白いと思うから面白いというのが本音ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
今日は「小説をなぜ読むのか」「なぜ面白いのか」について考察してみました。
ではまた。