こんにちは。
彩人です。
「村上春樹の『鏡』の解説が読みたい…!」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
僕は年間読書量の1/3が村上春樹!
そんな僕が「鏡」を考察&解説しています。
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量の1/3が村上春樹
村上春樹の「鏡」の考察&徹底解説!!【あらすじから主題、オチまで】
村上春樹の「鏡」の概要
まず村上春樹の「鏡」とはこんな作品です(↓)
- 講談社文庫刊
- 「カンガルー日和」収録
- 初出「トレフル」1983年2月号
- 「東京書籍」「明治書院」など高校の教科書に採用
こんな感じで約40年前に書かれた作品。
高校の教科書にも採用されました。
ではこちらはどんな作品なのでしょうか?
あらすじから見て行きたいと思います。
村上春樹の「鏡」の簡単なあらすじ
まず「鏡」の簡単なあらすじはこんな感じです(↓)
10年以上、前のこと。
僕は中学校の「夜警」の仕事につきました。
そして廊下の真ん中あたりにある玄関で何かの姿を発見します。
よく見ると「僕自身」でした。
つまりそこにあったのは「鏡」。
しかしそこには「僕ではない僕」が映っていました。
どんな姿かというと相手が心の底から僕を憎んでいること。
そのことだけがわかりました。
そして僕は「鏡」を木刀で破壊したのでした。
でももともと、そこに鏡なんてありませんでした。
こんな感じのあらすじ。
意外とわかりやすいストーリーですよね。
ではこの話では何を伝えたかったのでしょうか?
続いて見て行きたいと思います。
村上春樹の「鏡」の考察&解説①主題は?
さて。
ここから解説&考察に入ってみたいと思います。
まずこの話の主題は、
①あちらにいる自分(古い自分など)
②こちらにいる自分(今の自分など)
です。
なぜなら、
- 鏡に映った自分がいる
- 自分の姿を見て恐怖している
こんな理由から。
なのであちらとこちらにいる自分の対比が主題となっています。
ではなぜ自分(=僕)は2人いるのでしょうか?
僕が考える答えはこうです(↓)
自分が変わったから
なのでこのように表現されていると思われます。
例えば、
A.今まですさんでいた自分
B.ずっと恨みや憎しみを抱いてきた自分
こんな「僕」がいたとしますよね。
でもこんな僕が何かをきっかけに「心だけ変わった」ら、どう表現すれば良いでしょうか?
答えはこうです(↓)
①見た目は変わらない古い自分
②見た目は変わらない新しい自分
このように表現するしかありません。
なぜなら変わったのは「心」だけだから。
なのでこの作品でも「鏡」に写して対比しています。
村上春樹の「鏡」の考察&解説②鏡がない理由
また、この話のオチは、
①鏡を壊した
②鏡は家にない
です。
なぜなら、
古い自分(あちら側の自分)を見たくなかった
から。
なので鏡を壊してしまいました。
なのでこの話のオチは、鏡の破壊と、鏡の除去。
これが作者と主人公が選んだ、答えです。
あちら側の自分を見たくなかったので壊した。
また家にも鏡は置いていません。
なのでオチは「古い自分(あちら側)を連想させるものを壊した」です。
村上春樹の「鏡」の考察&解説③主題や伝えたいこと
つまりはこうです。
心を入れ替えるっていう表現がありますよね?
例えば昔は、お酒ばかり飲んで堕落していた。
そんな自分の心を入れ替えるとします。
すると、姿は変わりません。
変わるのは、
①心
②意志
だけですよね。
なぜなら、心を入れ替えただけでは、姿は変わらないから。
すると困ったことが1つ起こります。
それは鏡を見た時、「古い自分がいた!」と錯覚してしまうこと。
なので鏡は破壊してしまいました。
ちなみに、
- 昔の自分
- 古い自分
- あちら側の自分
というのは、喩えです。
もしかしたら、鏡に映ったのは「今の醜い自分」かもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今日は村上春樹の「鏡」を考察&解説してみました。
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