こんにちは。
あやとです。
「村上春樹の魅力や特徴って何だろう?」
今日はこんな方向けに記事を書いています。
村上春樹というと、
- 難しい
- 性描写が多い
- 物語の結論がない
こんなイメージありませんか?
でも村上春樹は特徴さえ抑えておけば、とても楽しめる作家さんです。
今日はその特徴と魅力5つを解説しています!
よろしくお願いします。
・読書ブロガー
・日本大学文理学部卒業
・年間読書量のうち1/3が村上春樹
村上春樹の特徴と特色・魅力・世界観5選!
村上春樹の特徴や特色・魅力、世界観は全部で5つあります。
それがこちらになります(↓)
- 簡単に別世界へ飛べる
- 多様な解釈が楽しめる
- 美男美女は登場しない
- 感情表現も登場しない
- 賛否を呼びそうな表現がある
以下、具体的に解説しています。
よろしくお願いします。
村上春樹の特徴と特色①シームレスに別世界へ飛べる
村上春樹の一番の特徴はシームレスな世界観です。
どういうことでしょうか?
順番に解説します。
例えば「パン屋を襲う」という作品ではこんな感じです(↓)。
「なるほど。そういうことならこうしようじゃないか。君たちは好きにパンを食べればいい。その代わりワシは君たちを呪ってやる。それでかまわんかな」
「呪うってどんな風に?」
「呪いはいつも不確かだ。地下鉄の時刻表とは違う」
(パン屋を襲うより引用)
こちらは「パン屋を襲う」という作品の一節。
ここからもわかると思うですが、かなりボカした表現となっていますよね?
①好きにパンを食べるの意味→あいまい
②その代わりワシは君たちを呪ってやる→意味がわからない
③(その呪いとは何?との問いに対して)
→呪いはいつも不確かだ。地下鉄の時刻表とは違う
そもそもなぜ「パン屋」なんて襲っているんだろう?という話です(笑)
ただしこれは、「シームレスな別世界」を表現しているとされます。
シームレスな別世界とは何でしょうか?
Wikipediaによるると「継ぎ目のない別世界」とされます。
つまり「別世界へ簡単にジャンプ」できるというわけです。
先の例文も「資本主義の話」とも言えるし「親子の話」とも言えます。
「なるほど。そういうことならこうしようじゃないか。君たちは好きにパンを食べればいい。その代わりワシは君たちを呪ってやる。それでかまわんかな」
「呪うってどんな風に?」
「呪いはいつも不確かだ。地下鉄の時刻表とは違う」
(パン屋を襲うより引用)
この一文(↑)は、こんな解釈もできます(↓)。
- お金をジャブジャブ使う代わり、金の亡者として呪われる話
- お父さんお母さんが毎日、ご飯を食べさせてくれる代わり、小言で呪われる話
こんな風にも解釈もできます。
このように、読者の想像した世界に継ぎ目なくジャンプできるのが特徴や魅力の1つです。
※ちなみに「パン屋を襲う」はこちらで別途作品を解説しています(↓)
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村上春樹の特徴と特色②難解&どんな解釈でもできる
そのため、意味の分からない話となっています。
なぜなら意味が限定されてしまうと「シームレス世界」へと移動できないからです。
例えば、
- 幼児虐待の話
- メロメロに惚れてしまう恋愛話
こんな風に解釈がひとつなら、別世界へは移れませんよね。
幼児虐待の話は、幼児虐待の話でしかないからです。
そのため、村上春樹はとても難解と言われます。
解釈がないため「難解」としか表現できないからです。
村上春樹の特徴と特色③美男美女は登場しない
また物語に美男美女も登場しません。
そこも特徴の1つです。
「美人美男」だとこんな人物かな?と断定できてしまいますよね?
そのため登場するのは、30代くらいのありふれた男女。
どこにでもいそうな、若くも老いてもいない、男女が登場します。
こちらも特徴のひとつです。
村上春樹の特徴と魅力④感情表現がほとんどない
感情表現がないことも魅力・特徴の1つです。
- 嬉し過ぎて飛び上がる
- 怒りをあらわにして怒鳴る
- 惚れすぎてメロメロになる
こんな人物が登場する、村上作品読んだことないですよね?
こちらも「別世界」へジャンプするためと考えられます。
なぜなら感情表現を伴っていると、人が限定されてしまうからです。
例えば「怒りをあらわにする人」は現実世界でそう多くはありません。
すると「この怒るはAさんみたい」と限定されてしまいます。
それよりも、
- 老人
- 普通の男女
- 30歳くらいの人
こんな表現なら「限定」されず、あらゆる解釈が可能というわけです。
ちなみにこんなゆるい感情表現なら出てきます。
・羊をめぐる冒険で「僕」がギターを叩き壊す
・ノルウェイの森で絶望のあまり1ヶ月彷徨う
こんな人(↑)なら、身の回りにはいないけどどこかにはいそうです。
このように「限定」されないような書き方が取られています。
村上春樹の特徴と魅力⑤賛否呼びそうな表現はある
それでいて賛否を呼びそうな場面は頻出します。
・「1Q84」
→証人会(小説に登場する架空の宗教)が「特定の宗教団体」を連想させる
・「騎士団長殺し」
→南京大虐殺についての記載
→これは実際、作家・百田尚樹さんから批判されました。
・「風の歌を聴け」
→猫を解剖する話
どの作品も「そこまで書いて大丈夫?」という表現があります。
これはある程度、刺激を持たせるためだと推測します。
刺激もない、感情描写も少ない、限定もできない…
こんな話だと読んでいて飽きてしまいますよね。
まとめ
いかがでしたか?
少しでも魅力や特徴をお伝えできていれば幸いです。
僕は他にも村上作品について書いています。
良かったらもよろしくお願いします。
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ではまた。